#05■量子とは?

波は物質ではなくて「状態」です。海水という「物質」の、ある「状態」が波です。
原子より大きい世界では、このように「物質」と「状態」をはっきりと区別できます。

しかし、原子より小さい世界では、そんな区分ができません。 電子は「物質」ではなくて「状態」です。 ただし、海の「波」の場合の「海水」にあたる物質がありません。

波動関数→作用素→波動関数

粒子性(物質の性質)と波動性(状態の性質)を併せ持つ、このような特殊な存在を、 普通の物質と区別するため、「量子」(quantum) と呼びます。
その「量子」を研究するのが「量子力学」です。 電子は「量子」の代表格です。

原子の内側にあるものは、「部品」ではなくて、「量子」です。
量子とは、単に「小さい」だけではなくて、原子より大きい世界に存在する「物質」とは振る舞いが異なります。 電子は「量子」なので、「電子1個だと水素、2個ならヘリウム・・」という、物質の世界では起こらないような現象が生じます。

電子は波のような「波動性」を持っています。ただし「何かの波」ではなくて「波だけ」です。 そこで、その波の形を調べよう、ということになります。

電子が、どのような形の波動になっているのか、それを数学の関数の形で記述したものを 「波動関数」と呼びます。

電子は「波だけ」ですから、その波の状態を表す「波動関数」がわかれば、「電子」を理解できるはずです。

波動関数を知るためには、波動方程式という名前の方程式を解く必要があります。 これを解くと、 その答えとして波動関数が得られます。

その方程式を解くために、「作用素」と「固有状態」を使います。  次へ >