概念雲の位置

クラウンの雲が出来ていれば、「クラウンちゃん」の位置は簡単に決まります。
その雲の中心(雲の真ん中の位置。「重心」ともいう)に立てばよいのです。

クラウンの位置

「クラウンちゃん」の実際のX座標を知りたければ、クラウンちゃんに対して黒丸を掲げた 全ての概念、つまり「高級ちゃん」や「伝統ちゃん」などのX座標の平均を計算すれば よいのです。 従って、クラウンちゃんに関係しない「スポーツちゃん」など(白丸)の位置は、 クラウンちゃんの位置の計算には無関係となります。

クラウンの位置

それでは、「高級ちゃん」や「伝統ちゃん」の位置は、どのように決まるのでしょうか。

校庭のスピーカから「高級」と聞こえると、自分は「高級」と関係すると思う概念たちが黒丸を 掲げて、「高級」の概念雲ができます。
この概念雲の真ん中(重心)が、「高級ちゃん」の位置になります。

このとき、「クラウンちゃん」も黒丸を掲げて、高級ちゃんの雲の一部となっている可能性が 高いのです。 なぜなら、「高級」という概念は、クラウンちゃんの側から見ても、自分に関係あると 思えるからです。

ここで問題が発生します。 「クラウン」の位置を決めるために「高級」の位置が必要なのに、 その「高級」の位置を決めるためには「クラウン」の位置が必要・・・というのでは、 「どうどうめぐり」になってしまいます。

「AはBの部分」であると同時に「BもAの部分」という、この状態は概念にはつきものの特徴です。 この「堂々めぐりの状態」を解決するために量子力学を利用します。

通常の物理法則が適用できないミクロの世界では、量子をモノではなくて状態として扱う必要があります。 その量子の波動方程式を解く際にも、堂々めぐりが生じますが、 量子力学では、「固有方程式」という特殊な方程式で、これを解決します。

その解決方法を、概念の可視化にも適用できます。
自動車のブランド概念を例に、可視化の実例を見てみます。 次へ >