自動車ブランド概念の可視化

いくつかのブランドを可視化した実例を紹介します。

その前に、白黒のパネルは回収し、各概念に自分の名前を大書きしたパネルを配り、 関係があると思うときだけ、そのパネルを上に掲げる方法に変更しておきます。 こうしておけば、単に雲が見えるだけでなくて、どんな内容かも観察できます。

たとえば「クラウン」のブランド概念は、こんな形の雲として可視化されます。 クラウンの概念雲図

「ワゴンR」のブランド概念の場合は、下図のようになります。 ワゴンRの概念雲図
クラウンとは概念雲の位置が異なり、性格の違う概念であることが解ります。

一方、「マジェスタ」の雲は、下図のようにクラウンと似た位置にできます。 マジェスタの概念雲図
細かく見れば、もちろん違いはありますが、雲のほとんどの部分がクラウンの雲と重なり合っています。 似た概念は、似たような場所に雲を作ることになります。

また、「NSX」のブランド概念雲は、こんな形です。 NSXの概念雲図
これまでの3つのどれとも異なる、独自のキャラクターであることが分かります。

「パジェロ」と「パジェロミニ」を比較すると、こんなふうになっています。 パジェロとパジェロミニの違いの図
「パジェロ」の概念に「ミニ」という概念が足されて「パジェロミニ」になる様子が読み取れます。 この「ミニ」の部分は、上記の「ワゴンR」の雲の中心部とも重なりあい、「小さなクルマ」を意味する 概念雲であることがわかります。 逆に「パジェロミニ」の雲から「ミニ」の雲を取り除くと「パジェロ」 になるわけで、そんな概念の「足し算」や「引き算」が成立するような空間になっています。

ここで「自動車に少しでも関係のありそうな概念はパネルを挙げてください」と声をかけて、自動車に関係 する全ての概念を一覧してみます。 自動車に関係する全概念の雲図
クルマに関する概念が、単にリストアップされているだけでなく、 相互に関係のある概念同士が近くに位置しています。 そうなっているから「関係の構造」が可視化できるのです。

これが「抽象概念の可視化(見える化)」です。
自動車ブランドに限らず、どんな概念でも同様に可視化できます。
「少子化」でも「美しさ」でも「経営戦略」でも、あらゆる「概念」の構造を、このように「見える化」して、 概念の「足し算」や「引き算」などを考えることができます。

少子化について議論するとき、少子化という概念全体のマップがあると便利です。

得意な人なら、このようなマップを自分の頭の中で作ることもできます。
しかし、それが本当に全体をカバーしているのか、また正しい構造になっているかどうかを、客観的に確認することはできません。

個人の主観や能力に依存せず、概念の構造を「漏れなく」かつ「無駄なく」可視化するために 量子力学系の数学を利用する、それが「概念の可視化」です。

その具体的な計算方法は、意外と単純なものです。 次へ >