量子力学 ■Q&A■

【Q】   「データフュージョン」とは何ですか?


【A】

種類の異なる複数のデータを、特殊な数理によって連結し、個別のデータから では得られない、複合的な知見を得るための技法が「データフュージョン」です。

回答者の異なる2種類のデータ、たとえば2千人から回収したテレビ視聴率データと、 別の5千人を対象とした特定の商品のユーザーの調査データを、データフュージョン を利用して連結できます。商品のある特徴を気に入って購入を決定した人が、 どんなテレビ番組を良く見ているのか、というような、複数のデータ間にまたがる クロス集計が可能になります。

視聴率調査の2千人とユーザー調査の5千人は、それぞれ別の人ですから、 単純にデータを連結できません。媒介変数を生成して、両データ間にブリッジをかける 仕掛けがデータフュージョンです。

医療の分野では、CT、PET、MRIなどの複数の装置で撮影された画像データ を相互に変換した上で組合せ、1つの3次元画像として表示し、個々の装置の画像 だけでは判らない複雑な状態を可視化したり、手術中の体内カメラ映像の上に、 手術前に撮影したMRIの画像をリアルタイムに合成して表示して手術を 支援するシステムなどでデータフュージョンの研究が行われています。

PETとMRIの画像は、それぞれ、データ形式も解像度も縮尺も、全く異なります。 データを連結して1つの画像に組み上げるには、複雑なプログラムが必要です。

PET画像とMRI画像は、「3次元の位置と縮尺を合わせる」ことでフュージョンが 実現します。視聴率調査とユーザー調査は、個々の回答者ではなくて「同じような人」 という基準でブリッジをかけます。

「量子データフュージョン」は、このデータフュージョンの技術を更に進めたもので、 複数のデータを連結するためのブリッジに、量子力学の「固有状態」を利用します。

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